第23章 本音
「任務のあとにナニをしにどこをほっつき歩いていたんだか!……合意かそうでないかは本人が起きた時に確かめるしかないね」
できるだけ普段と変わらない口調を意識している様だけど、その一つ一つの言葉には棘があるように冷たいものだった。
でも、それを言う筋合いアンタになくない。
アンタだって知らない女と情事に事を及んでいたんじゃない。
好きな女差し置いて。
って心の中で思っていたら、真希さんが私が思っていた事そのまんまを口に出していた。
びっくりした。
心読まれたのかと思った。
まぁ、でも。
あの日、食堂での話しを聞いていた人間なら同じことを思うでしょうね。
「オマエだって似たようなことしたんだろうが」
「は?」
「は?じゃねえよ。私も野薔薇も知ってる。オマエが以外の女を抱いたこと」
「……から聞いたの?」
「だったらどうなんだよ。コイツを責めるか。言っておくけどな、自分のこと棚に上げてこいつを責めるような真似してみろ。てめえの股間にぶら下がってるもん引きちぎるぞ」
お互いに睨み合っていて、今にも一触即発が起こるんじゃないかと思うほど険悪なムードだった。
「君達、喧嘩なら外でやってくれないかな。怪我人がいるんだから」
だけど、硝子さんの一言でなんとか最悪な展開にはならずに済んだ。
てか、そんな事より私は彼等に伝えなきゃいけない事があるんだよ。
「私、怪しい奴一人知ってる」
3人の目が一気に集まった。