第23章 本音
「なぁ、一つ確認したいことあんだけどいいか?」
その時、今まで黙って聞いていた真希さんが口を開いた。
真希さんは顎に手を添えてて、何か引っかかりを覚えたのかその眉間の皺は濃い。
「、オマエさ。ずぶ濡れになって帰ってきたことあったろ。食堂で野薔薇と喧嘩した日な。あの日、オマエ悟の家に行って忘れ物取りに行ったって言っていたけど、本当は違うんじゃねえのか?」
「………」
沈黙は肯定、か。
だからさっきは五条先生を見たのね。
横目で五条先生を見ると、その顔は酷くショックを受けていた。
あの最強が……。
「あのさ、その日ってもしかして……」
「オマエが知らない女とセックスしてた日」
真っすぐなの瞳が最強を貫く。
額に手を当てて深く息を吐く男の姿は、自分のしたことを後悔しているようにも見えた。
話しを聞いただけだから詳しいことは知らないけど。
あの日、は先生に助けを求めに先生の家に行ったんだ。
だけど、先生は違う人と寝ていて助けを求められなかった。
そりゃそうよね。
レイプされているから助けてなんて、好きな男に言えるわけなわよね。
しかもそう言う場面をみてしまったのなら尚更。
そんな相手に相談なんて微塵もできるはずもないし、犯人は私達を餌と使って脅していたわけだし。
面倒な事も迷惑な事もかけたくないって思ったに違いない。
だってはすごい優しい子だから。
それでも助けを求めることが苦手なが助けを求めようとしていたのに。
それをみすみす逃した先生にも知らないうちに彼女を責めてしまった自分にも腹が立つし悔しいし情けない。