第23章 本音
「お疲れサマンサ~。がなにやら大変なんだって?」
真希さんから連絡を受けた五条先生が医務室の扉を勢いよく開いた。
「昨日の任務でポカでもしたの?」
いつものような軽口を叩くけど、私達の異様な雰囲気を感じたのか軽快な表情は真面目な表情へと変わった。
「五条……。夏油の容体は思ったよりも深刻かもしれないが、その前に聞きたいことがある。いいかな」
「なに?」
「人様の色恋沙汰に口を挟むつもりはないが。オマエ、夏油と最近セックスしたか?」
そんな直球で聞く?
硝子さんはどうやらの身体に付いている鬱血痕の跡を五条先生がやったものだと思っているらしい。
が、それは違うと断言できる。
だって昨日はずっと私達と任務をしていて、それで……。
それで、また違う任務に行って……。
その時、私はハッとした。
なんで今まで気付かなかったんだろう。
彼女がこんな姿に戻ってきたなら犯人はあいつしかいないじゃん。
任務が終わった後に五条先生の所に行ったのかもしれないということも考えられるけど、それはあり得ない。
だって、彼女は情事に及ぶ彼らの姿を見て傷ついていたんだから。
私が口を開いて、思い当たる人物の名前を言うより先に五条先生が口を開いた。