第23章 本音
その時、医務室の扉が勢いよく開いた。
息を切らしている硝子さんと真希さん。
それを見ただけで安心して、走って来てくれたんだってわかって嬉しくなって。
真希さんはそんな私を見て抱きしめてくれた。
「…………酷いな、これは」
ぽつりと呟く硝子さんの言葉がその現状の残酷さを物語る。
「悪いけど、五条に連絡してもらえるか」
「え……?」
「気持ちは分かるが、あいつは曲がりなりにもお前らの担任だ。連絡する義務はあるだろう。それに、あいつには聞きたいことがあるしな」
聞きたいこと……?
いや、それよりもこの姿をあの人に見せるの?
そんなことしたらが……。
「心配しなくていい。あいつは確かにクズだがそこまでクズじゃない」
小さく笑うその顔に私はコクリと頷いた。
五条先生と同級生だった硝子さんが言うんだから間違いないだろう。
真希さんを見れば、真希さんは目だけで語りそして電話をかけた。