第23章 本音
なんでもないとか大丈夫だとか。
そう言って心配や迷惑を掛けたくないなら、まずはあんたのそのひっどい面をなんとかしなさい。
そうじゃない限り私は安心なんてできない。
「大丈、ぶ……だから」
「!!」
涙声で「なんでもない、嘘じゃない」とまるで自分に言い聞かせるように呟くだったけど次の瞬間、力を失ったように床に倒れた。
虚空を見つめるその目は酷く濁っていて。
私は彼女の名前を呼んで身体に触れたが、その冷たさにびくりと肩が跳ねた。
「!!しっかりして!!」
どのくらいの間冷水を浴びていたら、こんな冷たくなるのよ。
バカでしょ、死ぬ気だったの?
瞳に薄い膜が張って視界が歪んでいく。
何度も名前を呼んでいると、彼女の口が小さく動いているのに気が付いた。
彼女の言葉を聞こうと耳を寄せた。
「……す、……けて……」
弱弱しくか細い彼女のSOS。
それを聞いて、ついに私の涙腺は崩壊してしまった。