第23章 本音
その時、私は目の端に映る制服に目をやった。
上着の下に隠すように脱ぎ捨てられているYシャツの袖口に、何か赤いものが付着していた。
心の中でに謝りながら、私はそれを手にする。
そして大きく目を見開いた。
Yシャツの袖や身頃部分に、大きな血のシミがあったから。
特に両袖は破られ、血が大量に着いているのを見ると怪我をしたのは両腕だ。
私は風呂場に行こうとしたが、足が止まった。
人の下着をじろじろ見るのはよくないって思っていたからできるだけ視界に入れないようにしていたけど、無視、できなかった。
彼女のショーツにも少し血が付いているのが見えて、両腕だけでなく太腿も怪我をしたんじゃないかと思い、手を伸ばした。
そしてそれを手にして、思わず手を引っ込めてしまった。
何か、べちゃってした……。
どくどくと早く脈打つ心臓。
聞こえるのは自分の心臓の音と呼吸音だけ。
シャワーの音なんて一切聞こえなかった。
ゆっくりと手を伸ばし再びショーツに触れて、少しだけ覗くクロッチ部分を見て、血の気が引いた。
勝手に下着を触ってしまったことは謝る。
でも、これは確かめざるを得ない事だから許してほしい。
クロッチには大量の白濁の液体がこびりついていた。
なに、一体どういうことなのこれ……。
上手く情報が処理できない私の頭は冷静さを失い、プチパニックが起きていた。
だけど、今まで一切聞こえてこなかったシャワーの音が急に耳に届いて、私は我に返り浴室へと向かう。