第23章 本音
ゆっくりと意識が浮上した。
軽く欠伸をしながらスマホを見ると時刻は6時30分になる少し手前。
アラームは7時にセットしてあるから、あと30分は寝れるわね。
二度寝しようかなって思っていたけど、妙に頭がすっきりしていた。
二度寝は諦めて、私はいつもより早い朝食作りへと向かった。
その時、隣の部屋から水の流れる音が微かに聞こえてきた。
、帰って来てたのね。
いつ帰ってきたのかしら。
朝食を作る前にの所に行こう。
硝子さんに連れてくるよう言われていたし、何より私がの顔を見たい。
私は、寝間着姿のまま部屋を出て隣部屋の彼女の部屋を訪れた。
「?入るわよ?」
扉の奥からはシャワーの音が聞こえる。
勝手に入るのは気が引けるけど、一応声はかけたからいっか。
私はドアノブを回して部屋の中に入る。
の部屋は少しだけ散らかっていた。
脱ぎ捨てられた制服に下着、開けっぱなしの勉強机の引き出し。
伏黒から借りた呪具は丁寧に壁に立てかけられているけど、他は雑。
整理整頓が苦手なタイプには思えないけど。
ていうか、制服が散らかっててお風呂に入ってるってことは帰ってきたのはついさっきってこと?
それまでずっと任務してたの?
怪我をしているのに?呪力がほぼない状態で?
私の心臓は重く冷たく脈を打って警報を鳴らしている。
心配と不安ばかりが募るから早くお風呂から上がって来なさいよ。