第23章 本音
硝子さんの所に行くと、ものすごい眠そうな目で私達を見ていた。
「君達、特級相当を撃破したんだって?」
「え、なんで知ってんの⁉」
「さっき窓から連絡があってね。明日は朝一から解剖だよ」
はは、と乾いた笑みを零す硝子さんに私達は「お疲れ様です」としか言えなかった。
「そういや夏油はどうした」
「夏油は別の任務に行きました」
「は……?」
ピリッとした緊張感が医務室内に走った。
「あいつも怪我をしたんじゃないのか」
「してたけど、なんか修行のための任務がどうとか……」
「……あいつ帰ってきたら、すぐに私の所に連れてきてもらっていいかな」
「は、はい……」
にこりと笑っているはずなのに、笑ってないっスよ硝子さん……。
でも硝子さんからしたら、怪我をした状態で違う任務には行ってほしくないでしょう。
私達ですら自殺行為で危険だって分かっているのに。
「ちなみに夏油を連れてった補助監督が誰か分かる?」
「茂木って人ですけど」
「茂木……。ああ、アイツか」
顔と名前が一致したのか、硝子さんは近くにあった付箋に「夏油、もぎ、説教」と書いた。
、明日の朝覚悟しておきなさい。
心の中で合掌をしながら、私は硝子さんの治療を受けた。