第23章 本音
――釘崎野薔薇side――
「ねえ、新田ちゃん。あの茂木って人どんな人なの?」
を乗せた車が遠ざかり見えなくなったのを確認し、私は新田ちゃんに尋ねた。
あの冷たい瞳との血の気の引いた顔が、私をざわつかせた。
「茂木さんは真面目で気さくな人っス。でも、ちょっとビビったっスね……。あんな冷たい目をする人だとは」
「って結構任務に行ってね?俺の気のせい?」
「修行だって言ってたけど、呪力もねえのに任務行ったところで修行もなにもないだろ。……あいつ、俺らに何か隠してるのか」
「それに、いくら修行のための任務だからと言って、怪我している人を無理矢理連れていく?真面目なのか分かんないけど限度を知らないのかって感じ」
私以外の3人も何か疑問を持っていたらしく、その場から動かずにただ車の去った方向を見つめる。
「もしかして付き合ってるとかっスかね……⁉」
「「「それはない」」」
まるで犯人が分かった探偵のような顔つきの新田ちゃんの言葉に、私達の声が重なる。
があの茂木って人と付き合っているなんてありえない。
だっては五条先生が好きなんだから。
それを直接本人から聞いたわけじゃないけど、確実にそう言える。
女の勘ってやつよ。
「とりあえず、皆さんも家入さんのところに行くッス」
確かに新田ちゃんの言う通りだわ。
私たちは渋々と言った感じで硝子さんの所へと向かった。