• テキストサイズ

【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第22章 黒閃








虎杖の指のキャパはハッキリとわかっていない。
だから食べられては困る。
が、私も伏黒もボロボロだ。
一番元気そうな虎杖に渡したほうが呪霊に襲われたとしても対処はできる。

「念を押すけど、食うなよ」
「犬並みの理解力だと思われてるな」

再三の注意をし、私は持っていた宿儺の指を虎杖に渡した。
が、虎杖の右の手のひらがぐっぱりと口を開け、指を飲み込んだ。

「「「食うなつったろ!!」」」
「え、俺ェ⁉」

私達3人の声が重なった。

「手軽に食べられるカロリーメイトじゃねえんだぞ」
「宿儺の指をカロリーメイトに例える奴初めてみた」
「勝手に食ったの宿儺だから!!コイツ……マジで!!今回もろくに働かねえし!!」

高専に来たばっかりの頃、五条悟は虎杖に宿儺が力を取り戻すために指の在り処を教えてくれる、と言ったそうだ。
だけどこれで虎杖も分かっただろう、五条悟という生態を。

「もしかして五条先生って適当?」

今更だな。
絶対私達3人の気持ちはシンクロしたと思う。

「クラァッ!!!オマエらぁ!!!」

その時、ものすごい怒号が聞こえた。
橋の上をみると、そこには新田明がいてめちゃくちゃブチ切れている。

「じゃ、帰るか」

虎杖は伏黒に、野薔薇は私に手を差し伸べる。
その手を取るのに少し躊躇したのは、私達は今喧嘩中だと言う事を思い出したから。
だけど、躊躇したのは一瞬。
私は野薔薇の手を取って、野薔薇は私の手を引っ張った。
反動で立ち上がり、二人顔を見合わせ笑う。

「あれ、仲直りしたん?」

新田明の所へ戻っている最中、虎杖が嬉しそうにそう尋ねてきた。
目線だけ動かし、野薔薇を見ればばっちり目があった。

「「喧嘩?初めからしてないけど?」」

綺麗にユニゾンする声。
それが面白くて、また二人で笑った。

私と野薔薇は友達だ。
私のたった一人の、親友。






/ 844ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp