第22章 黒閃
「「ふっ……伏黒?……?」」
曖昧な意識の中、虎杖と野薔薇の声が聞こえた。
どうやら私もあの後眠ってしまっていたらしい。
ゆっくりと身体を起こせば、腹のあたりに重みを感じる。
視線を移せば、そこには伏黒の頭があった。
「おっ。戻ったか。良かった、無事で」
寝起きのガラガラの声でむくりと起き上がる伏黒。
私も目をこすりながら「怪我してないか」と声を掛ける。
そしたら二人は飛び上がって滅茶苦茶ビビってた。
どうやら私達が死んでいるのかと思ったらしい。
その声量のでかさに私も伏黒も頭を抑える。
「宿儺の指持って寝こけるなよ。つうか、なんでの腹の上で寝てたのよ」
「なにが……?」
「膝枕してたんだよ。頭怪我してたから砂利の上だと細菌入っちまうだろ。そしたら私も寝てたからずれたんだろ」
「えっ!?伏黒、から膝枕してもらったの⁉ずるっ!!」
「虎杖うるせえ。後でオマエにしてやるよ」
「マジ⁉やった!!」
これ以上騒いでほしくないから適当にそう言ったらすげえ喜んでた。
だから声のボリュームを落とせ。
「それより釘崎。なんでオマエ、指のこと知ってんだよ」
そう言えばそうだ。
私達何も言っていないの。
「それ聞く余裕ある?」
「ねぇ」
「それより新田明に連絡しないとだろ。応急で封印してもらわねえと呪霊が寄ってくる」
くあぁぁと大きな欠伸と背伸びをしながら手に持っている宿儺の指を見る。
そしたら虎杖が「俺が食べようか」とか残飯処理機見たいな事を言っていた。
お願いだから食わず嫌い王決定戦に出て欲しい。
殿堂入りで優勝間違いなしだよ。
逆に格付けチェックには出んな。
毎年姿を消すことになるから。