第22章 黒閃
「絶対何かいるんです」
この子は今呪われる対象となってる。
「怖くて……。そんな時伏黒君の話を聞いて、八十八橋のこと思い出して」
タイミングが本当によかった。
問題は自動ドアがいつ頃からそうなり始めた、か。
「自動ドアの話しはいつ頃から?」
「丁度一週間前から1日置き位……」
被害者4人共以上発覚から死ぬまで最低でも2週間は空いている。
この子はまだ少しだけ余裕がある。
余裕があるだけで、いつ呪われてもおかしくない状況だ。
早く解決しないと。
「当時八十八橋に1人で言ったわけじゃないわよね?誰と行ったか覚えてる?」
「あの……やっぱり何か関係が……」
「自動ドアとはね。でも森下さんが亡くなったのには関係ないっスよ。私の大学のレポートを伏黒君達に手伝ってもらってるんス。"心霊スポットにおける電磁波と電化製品への影響"。ゲロダルいっス!!」
藤沼姉の不安が一気に加速したが、安心させるために新田明がごまかしてくれた。
それに乗っかるように私も続けて口を開く。
「情報が多ければ私達のバイト代も多くなるからさ。めっちゃ今頑張ってんの。だから色んな人に話を聞いて回ってんだよね。だから、もし一緒に行った人がいるなら教えて欲しい。バイト代のために」
ここまで言ったからには必ず助けてやる。
絶対呪いで死なせたりなんかしない。