第22章 黒閃
その話を聞いて私たちは視線を合わせた。
とりあえず私たちはこのことを新田明に報告するために、車を停めてある訪問者用駐車場へと向かった。
新田明に諸々の事を報告すれば「当たりっスかね」と言った。
これで外れてたら一体何が正解なんだって言いたくなる。
「八十八橋なら俺も行ったことあります」
「バンジーしに?い"ってぇ!!」
「オマエはもう少し学習しろよ……」
伏黒をからかうたびに殴られてんのに同じことをくり返す虎杖に、私は呆れるほかない。
「心霊スポットとかは学校とかと同じで呪いが溜まりやすい。だから高専関係者が定期的に巡回するんだ」
「伏黒が行った時は何ともなかったのか」
「ああ。有名っちゃ有名だけど、普通に使われてる橋だからな」
「でも行ってみるしかないわよね」
「ここからどのくらいで着くんだ?」
「大体―――……」
「伏黒君」
私達がこれからの行動について話あっている時、武田さんがやってきて伏黒の名前を呼んだ。
そして優しい笑顔を向けて。
「津美紀君は元気か?」
「……はい」
静かに頷く伏黒。
変な間があったけど、なんだ?
「ツミキって誰?」
「……姉貴」
「はぁ⁉アンタ自分の話ししなさすぎじゃない⁉」
なんで自分の話をしないくらいでこんなに言われなくちゃいけないんだろうか。
話たくないことだってあるだろうに。
あーもう!!
なんでこんなにイライラしてんだよ、私は!!