第22章 黒閃
葬式の時間がもう少ししたら始まるとのことらしく、私はその前にできるだけの情報を両親から聞き出した。
亡くなった3人との関係性やどういう子だったのかなど。
「どういう、亡くなり方を?」
「……警察みたいなことを聞くんだね」
「気分を害されたのなら謝ります。申し訳ありません。私のお兄ちゃん、刑事を目指してて、できるだけ情報を聞いてきてほしいって言われてて……」
亡くなった直後にこんな事聞くのは鬼畜だとは思う。
けれど、これ以上犠牲者を出さないためだから。
「そうなの。でも、ごめんなさい。私達もあの子の友人関係をちゃんと把握していないのよ……だから」
友人関係のことは掴めなかった。
だけど、死に方は聞くことができた。
他の3人と同じ死に方をしていたことが分かった。
実家暮らしだからオートロックじゃないけど、玄関の前で殺されていたらしい。
以前から一人で帰宅した時に"鍵が開いているのにドアが開かない"と他の家族に言っていたこともわかった。
他の遺族にも話を聞いて見たが、それ以上の情報は得られなかった。
「ありがとうございます。お悔み申し上げます」
深々と頭を下げて私は森下家を後にした。
少し離れた場所では4人が私が帰ってくるのを大人しく待っていたらしく、私の姿を見つけた時虎杖が大きく手を振った。
「なんか聞けた?」
「まぁ。でもあまり有力な情報ではないけど。他の3人と同じ死に方をしていることはわかった」
「……同じ死に方」
両親から聞いた話、遺族から聞いた話を彼らに伝え、私達は車に乗り込んだ。
ここで情報が得られないならそいつらが通っていた中学に行くしかない。