第21章 諦念
なんて、一人で心の中でそう思っていたらいきなり爆弾を落とされた。
「五条悟が知らない女とヤッてたからびっくりしただけ」
なんともないように振る舞うの態度と、その状況を頭の中で思い浮かべ深いため息が漏れ出た。
「あんまり聞きたくなかった情報だったわ」
「「「同意(しゃけ)」」」
「何があったのかって聞くからじゃん」
「だからってナニの話しはしなくていいだろ」
むすっとする馨をなだめるパンダ先輩。
そしてそこからは恋バナのようなそうじゃないような話へと発展していったわけだけど。
話しが脱線して、元の話しに戻るのにかかった時間は約15分。
私がなんとか軌道修正をしたおかげで脱線事故はこれ以上酷くならずにすんだ。
「が見た女が彼女でも嫁候補でもセフレでもなんでもいいけど、確かにその現場を見ちゃあんな顔にもなるな」
「高菜。ツナマヨ」
「諦めるも何も……。だって、あんなん見たら無理だろ。すげえ綺麗な人だったし。そもそもガキだし。一回り違うし。相手にされないのなんて目に見えてるし」
下を向いて、拗ねた子供のようにもにょもにょと口を動かすは、そのあと何も話さずに沈黙した。
彼女が黙りこくってどのくらいの時間が経ったのかしら。
重たい空気だけが流れているのを肌で感じるけど、何を言ったらいいのか分からない。
分からないから、この静寂の時間が流れる。