第21章 諦念
そして本題である自身の事を聞きだそうと本腰を入れた。
が、は何も言ってくれなかった。
「なんでもない」の一点張り。
もし、私一人だったら聞き出すのを諦めていたかもしれない。
だって、今のは見ていて辛い。
見ているこっちが泣きそうだよ。
「悟に振られたか?」
なんでもない。なにもない。と言い続けていただったけど、真希さんのその一言に漫画みたいな反応をした。
わかりやすい……。
私達4人は顔を見合わせて「あ~、なるほどね」と目で語り合った。
そういうことだったのね。
だったら尚更話してもらわなくちゃいけないじゃない。
もう逃げられないと悟ったのか、はもごもごと口を動かした。
「……振られた、というか……やっぱり、振られたんかなぁ」
「いや、知らん。何を自己完結してんだ」
「告白したのか?」
「してない」
「ちょっと整理させてくれない?あんたアイツの家に行ったの?」
「………行った」
歯切れが悪くなったのは何でだろう。
「告白するために行ったの?」
「違う。………忘れもの、して。アイツに術式のことを聞きに行ってたから」
あ~、なんか前にそんな事言ってた気がするわね。
自分の術式がどうのこうのって。
また修行しに行っていたのね、修行大好きか。