第21章 諦念
電話をし終えた私は、ただ立ち尽くしているに着替えを渡した。
「なんで?」
「風邪引くからに決まってんでしょうが。なに、なにがあったの?まあいいわ、それは後で聞くから。いいから着替えて」
「いい。部屋に戻る。ありがと」
「よくない。あいつらのところに行く前に着替えて。じゃないと私が無理やり服脱がせて着替えさせるわよ」
「っ!!わ、かった……」
さっきまで死んだようなオーラを纏っていたのに、いきなり慌てて着替えを受け取る。
見られたくない何かでもあるの。
怯えた瞳が揺れ動く。
聞きたいことは山ほどある。
が、今は着替えが優先。
洗面所で着替え終わったを連れて食堂へと向かった。
食堂にはすでに真希さん達がいて、テーブルにはおじやが置かれている。
狗巻先輩がのために作ってくれたらしい。
最初こそ食べるのを拒んでいたが、先輩たちの言葉に良心あ痛んだのか、彼女はゆっくりとおじやを口に運んだ。
いらないと拒んでいたくせに、その手は止まることなくおじやを食べ続ける。
そして見事に完食。