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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第21章 諦念








外は雨が降り始めていた。
さっきまで晴れてただろうが。
タイミング良すぎだろ。
なに、狙ってんのか。

何もかもが気に食わない。
何もかもがムカつく。

でも、良かった。
調子に乗って助けを求めなくて。
最悪軽蔑どころの話しじゃなくなっていたかもしれない。
罵詈雑言されるのがオチか。
まぁ慣れてるけど。

滴る雨がうざい。
早く止め、クソが。

あの女、どっから捕まえてきたんだろう。
長い黒髪の毛先は軽くパーマがかかっててくるくるしててかわいかった。
胸も私なんかよりあったし、肌も白かった。
なにより、顔がすげえ綺麗だった。
ああいう女がタイプか。

傷付くな。
傷付く必要はどこにもない。
最初からわかっていたはずだ。
叶わないってあいつらも言ってたろ。

でもさ。
ちょっと期待した。
ピアスもそうだし、温泉の時もそうだし。
違うか。
女の扱いに慣れてるから、ああいう事ができるだけでそこになんの感情も無いんだ。
勝手に私がそうであってほしいと思っていただけの話しだったんだ。

結局、私が勝手に舞い上がって勝手に落ち込んでいるだけだ。

「はは……ピエロもいいところだ」

雨の中。
私は腹を抱えて笑った。
可笑しくて可笑しくて。

ずっと笑って。
笑いすぎて涙が零れた。





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