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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第21章 諦念







「……オマエ、来るなら連絡……」
「したけど。既読つかなかったけど」
「あー……、クソ。……悪い」

テーブルに置かれたスマホを手にした五条悟は舌打ちをした。
どうやら電源を切っていたのを忘れていたらしい。

身体を起こした五条悟。
その反動でずるりと女の中から五条悟のモノが抜かれた。

「あんっ」

と、わざとらしく喘ぎ声を漏らす女。
なにが「あんっ」だよ。
自分感じてますアピールか。
きっも。
AV女優にでもなれば?

五条悟も五条悟だ。
そんなあからさまに「めんどくせー」みたいな顔しなくてもいいだろ。
いや、面倒な状況ではあるけども。

すーっと心臓が冷たくなった。
私はなんでこいつに助けを求めようと思ったんだろう。
そうだった。
こいつはクズだった、忘れてた。
私が私の置かれている状況を言ったところで助けてくれる保証はどこにもないはずなのに。
馬鹿か、私。
地頭がいいって発言、もう2度とするな。

あーあ。
これが惚れた弱みってやつ?
恋愛は惚れたほうが負けって言うもんな。
私、恋愛面でもお前に勝てないみたい。
笑えて来るわ。

「謝んなくてもいいだろ。私が勝手に来ただけなんだから」
「……」
「タイミング悪くて悪かったよ。お楽しみ中邪魔したな」

平静を保て。
なんでもないって顔をしろ。

「もう、ここには来ないから」

そう言って私は部屋を出た。
後ろでは私の名前を呼ぶ五条悟の声と、それを引き留める女の声が聞こえた。
それを最後に。
部屋の扉は閉められた。




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