第21章 諦念
「あはは、謝らなくていいのにぃ。でも、そろそろ戻らないと怪しまれちゃうね」
ちゅっ、と額にキスが落とされる。
悪寒が背中に走って涙がいっぱい零れた。
ナカで暴れまわる欲望は更に欲望を増して、更に奥へと侵入してくる。
苦しくて、苦しくて。
声を漏らして苦しさを紛らわすことしかできない。
根元まで埋められたそれを嫌でも感じながら、私は何度も何度も鼻を啜った。
「最後は、どーしてほしい?」
「さ、最後……?」
「そ。ナカに出してほしい?」
「や、だっ……、ナカは、やめろ……お願いだから」
男の腕を掴んで涙で滲む視界の中必死に懇願した。
ナカに出されたくない。
こんな男の熱情なんて……。
「わかったよ……」
男は肩を竦めた。
私のお願いを聞き入れてくれたと思って安心した瞬間、ぐっと子宮口に男のソレが当たった。
「かはっ……!!」
「なーんてね。ナカにたっぷり出してあげる」
「や、やめ……。嫌だ、嫌だあああああ!!」
「知ってた?"いや"は"いいよ"の同意なんだよ」
んなわけあるか。
自分のいいように解釈をするな。
「ぁああああっ、ひっ、ぁ、あぁ、やっ!!」
息をつく暇もなく最奥を突きあげられ、簡単に絶頂を迎えた。
私の締め付けに男は眉をひそめて、私のナカへと熱を放つ。
脈を打ちながら奥へと注ぎ込まれる熱に、ぶるりと身を震わせて、小刻みに身体が痙攣した。