第21章 諦念
そこからはもう男にいいように抱かれるだけの時間が続いた。
首筋に吸いつかれた肌は赤く色を咲かせる。
「ひっ……!ぁ、ぁあ、んぅ、……ぃ、あ、ぁ……!」
「声我慢すんなよ」
肌と肌がぶつかる音。
交わって出来上がる水音。
鼻にかかった甘ったるい気持ち悪い声。
男の下衆な笑い。
部屋中に響き渡る。
「ぅぐっ……」
「あ、痛かった?思い切り叩いちゃったもんね」
お尻を男に突き出すような体位で後ろから攻められていると、お尻を思い切り男によって叩かれた。
ジンジンとするお尻が痛い。
「赤くなっちゃった」
「……ふ、んぅ……、もっ……イっ―――……!!」
びくんと身体を大きく揺らして私は絶頂を迎えた。
肩で息をしベッドに倒れ込む私を男はぐるんとひっくり返す。
未だにそそり立つソレを宛がい勢いよく挿入すれば奥まで貫かれる。
声にならない声が口から溢れ、涎も涙も一緒に零れ落ちる。
好き勝手に動いて好き勝手に触って。
一体どれくらい私はこの男と交わっていたのか。
わからないし、わかりたくもない。
助けてほしい。
逃げられないこの状況から。
スーパーヒーローのように、王子様のように。
颯爽と現れて、私を助けて。
助けてよ。
あの時、あいつらに良いように言われて何も言い返せなくて動けなくて雁字搦めになっていた私を助けてくれたように。
また何もできない私を助けに来てよ。
そう願っても、誰も来るはずもなく。
「ゆるして、もう、許してくださいっ……」
ボロボロと泣きじゃくりながら許しを請う。
私にできる精一杯の抵抗。