第20章 幸福
――五条悟side――
つっかれた~。
こんなこともう二度としたくないね。
"幸福"の捕縛なんて面倒すぎるでしょ。
が夢を見るのは想定内だったけど、まさか七海まで見るなんて思わなかった。
それほどまでに、何か根強い願望でもあったのかな。
テーブルの上に置いた、卵型の玉を眺める。
すやすやと眠る"幸福"は文字通り幸せそうだ。
今度こいつが逃げ出したら、上の連中もろとも消し去ってしまおうか。
そんなことを考えていると、部屋の扉がノックされた。
ドアスコープから外を覗くと、そこにはの姿が。
少し髪の毛が濡れていると頃を見ると風呂上りだろうか。
こんな夜遅い時間に、風呂上がりで男の部屋に来るなんて。
のことだから、それ目的ではないんだろうけど、少し期待しちゃう。
「どうぞ~」
扉を開けて中へと招き入れる。
おずおずと言った様子で部屋の中へ入る彼女は随分と奥ゆかしい。
オマエ、そんなキャラだっけ?
「どうしたの?こんな遅くに。襲われに来た?」
「んなわけねえだろ。馬鹿じゃねえのか」
やっぱり。
思った通りの返答が返ってきて僕がクスクスと笑った。
ベッドの端に腰をかけ、も隣に座るように促せば怪訝な顔で僕を見た。