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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第19章 旅行








虎杖の部屋の前まで来た時、私の心臓は緊張度マックスだった。
昨日からずっと私は緊張している。
メンタルクソ雑魚か。

生唾を飲み込んで私は扉をノックした。
中から虎杖の声が聞こえて、私はゆっくりとドアノブに手を掛け、静かに開けた。

部屋の中では虎杖がベッドに寝っ転がってマンガを読んでいた。
私が入ってくると、マンガを閉じてベッドから降りてクッションの上に座った。

「座れよ」

そう言ってもう一つのクッションを差し出す虎杖。
虎杖の部屋は思ったよりも整理整頓されていた。
こいつのことだからもっと散らかっていると思ったけど、余り物がないから散らかる事もないのか。

「話……って?」
「あ、うん……」

改められると緊張感が増してしまう。
私はクッションに正座し、膝の上に乗せた手をぎゅっと握った。

「告白、の……返事、してなかったから……」
「あー……そう、だったな」

虎杖の顔を見ることができずに、俯いたまま私は口を開く。
これを言ってしまえば、私は虎杖を酷く傷つけてしまうだろう。
でも、変に期待させるよりはマシだって野薔薇は言ってたし。

「あのさ……やっぱり私、虎杖のこと……その……」

言わなきゃいけないってわかってるのに、うまく言葉にできなに。
このヘタレ。
何してんだ。
ちゃんと言え。

「その、虎杖の事……私は、友達……としか見れなくて……」
「そっか」
「ごめん……。でも、告白自体は、すごく嬉しかった。は、初めて……だったし」

告白されたことなんてなかったから。
誰かに好きだって言ってもらえたことがなかったから。
あの瞬間、あの瞬間だけは。
少し自分が好きになれたような、そんな気がしたんだ。






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