第19章 旅行
バートが既婚者だと知らなかったリンダは、すぐに別れを切り出した。
しかし、バートは奥さんと離婚しリンダと付き合うと言ってきた。
だが、バートの奥さんは離婚を拒絶。
幼い子供もいたため、簡単には離婚はできなかった。
そんな彼にリンダは愛想をつかし離れていく。
もちろん、そんなことでバートはリンダを諦めることはできず、付き合う前にしていたように、自宅に花を送ったり、手紙を書いたり、電話を掛け続けた。
だが、リンダの心が変わることはなかった。
そんな状況に危機感を覚えたバートは、リンダが恐怖に陥れば自分を頼ってくれるのではないかと考え、これまで送っていた花や手紙の代わりに、リンダを恐怖へと陥れた。
バート自身がやっているとは思われないように。
その頃にはリンダには新しい出会いがあり、婚約までしていた。
のだが、バートは街で3人の男を雇い、リンダの顔に硫酸をかけさせたのだ。
アシッドアタックを受けたリンダの片目は失明してしまし、バートは警察に捕まり14年間刑務所で過ごした。
刑務所に入ったバートだったが、リンダへの愛は変わらず、刑務所の中からずっと手紙を書き続けていた。
リンダはというと、失明した目のせいで婚約は破棄。
サングラスをかけ、傷を見せないようにふるまう彼女に寄ってくる男はたくさんいたが、彼女の失明した目を見て婚約者同様離れていった。
1974年、バートは仮釈放され刑務所を出ていた。
事件から14年の月日を経て。
バートにはリンダへの接近禁止命令が出ていたため仮釈放後は会うどころか、手紙や電話なども禁じられていた。
そんな男にテレビが取材し、そして放送された。
その放送でバートはリンダに「結婚してくれ」と求婚を申し込んだのだ。
相手の人生を滅茶苦茶にした男が、テレビでプロポーズ。