第19章 旅行
お肌の手入れも終わり、髪の毛も乾き、3人で客間へと戻った。
そして、女子部屋になぜか居座るパンダと狗巻棘の存在に私と野薔薇は声を挙げそうになり、お互いの口をお互いの手でふさいだ。
禪院真希はただ、目を大きく見開いているだけだ。
「よぉ」
「しゃけ」
親戚の親父が久しぶり会った娘にするような態度で、片手をあげるパンダ。
それに乗っかる狗巻棘。
「よぉ、じゃないわよ‼なんであんたらが私達の部屋にいるのよ‼」
「だって、悠仁も恵もすぐに寝ちゃったんだもんよ」
「だったらお前らも寝ろよ……!!」
「えぇ~、そんなの楽しくないじゃんか~。せっかくの旅行だぜ。それに棘が隣の部屋から面白い話が聞こえたって言うもんだから、聞きたいじゃん?」
「ツナ、いくら」
どうやら、先ほどの私達の会話はこの狗巻棘という男に聞かれていたらしい。
不幸中の幸いは、虎杖と五条悟の2人に何も聞かれていないということだろうか。
「デリケートな話なんだから、邪魔しないでよ」
「おかか。明太子、こんぶ」
「……面白がってるだけだろ」
何が、「相談に乗るよ」だよ。
目が笑ってんだよ、目が。