第19章 旅行
――夏油side――
時間になり、旅館に戻る私と五条悟。
いつも責めるほどでもない遅刻をする五条悟だが、今日は私が居るんだ。
そんなことはさせない。
集合時間の5分前に旅館に着けば、既にみんな集まっていた。
「なんでお前ら手ぇ繋いでんだ?」
と、禪院真希に言われるまで気が付かなかった。
私は慌てて五条悟の手を振り解く。
「いやぁ聞いてよ。それがさ、の奴、恵たちとはぐれて迷子になってたの。で、たまたま僕と会ったから今度ははぐれないようにしてたわけ」
「ふーん……」
「お土産に夢中になって迷子とか、ガキじゃねえんだから」
「ごめんってば」
過ぎたことをいつまでもねちねちと。
伏黒は姑か。
姑恵か。
でも、いなくなった私を心配してくれているのだから、文句を言う筋合いはない。
私達は旅館の中に入る。
「玉露」と書かれた部屋が女子で「碾茶」と書かれた部屋が男子と別れており、隣の部屋なため何かがあればすぐに駆け付けることができる。
何も無い事を祈るのだが。
女子部屋より少しだけ広い男子の部屋で食事を済ませるために、私達は一度部屋に荷物を置いて男子の部屋へと向かうことに。