第19章 旅行
昨日、高専に戻ると禪院真希に滅茶苦茶文句を言われたのは想像がつくと思う。
だけど、文句は言われたけど旅行自体は禪院真希も楽しみにしていたみたいだからそれ以上はなにも言われなかった。
そんでその日の夜。
1、2年が食堂に集められ、なんなら修学旅行みたいに2チームに分かれるかって話になった。
「修学旅行行ったことないんだけどさ、何すんの?てか、チームに分かれるもんなの?」
私のこの発言により、空気が一瞬にしてお通夜になってしまった。
「そっか……。あんた、友達いないもんねぇ」
「修学旅行、行ける訳ないよなぁ」
と、涙を拭う仕草をする野薔薇と虎杖。
「じゃあ猶更、そういう雰囲気味わえばいいんじゃないか」
「……なんでパンダが知った風な口聞いてんだ。お前だって修学旅行行ったことねえだろ」
「家族旅行はあるぜ」
ふふんと胸を張るパンダ。
呪骸でさえ旅行を経験したことがあると言うのに、私ときたら……。
一人でショックを受けながらも、それでもこいつらと一緒に行けると思うと楽しみで仕方がない。
チーム分けはグーパーで決めた。
その結果が、座席である。
五条悟は引率者という形で、箱根の街を適当にぶらつくと言う。
高級旅館なため、夕食の時間は融通が利くと言っていたが話し合った結果、「遅くても18時には旅館に着くこと」を目安にした。
「うん、僕もそれでいいと思うよ。明日、女将さんに19時に夕食を持ってくるように伝えておくね」
と、五条悟は言った。
どうやら今回の宿は五条悟もよく行く場所だという。
だからなおさら融通が利くのだろう。