第18章 術式
この後、野薔薇と買い物に行くというだったがそのあまりにもクソダサい私服に流石の僕もそんな恰好で外を出歩いてほしくなくて必死に引き留めた。
いやだって、白い生地のTシャツの真ん中にはサメの絵が描かれていて、そのサメの両脇からムキムキの腕が生え、「にゃー」と鳴いている柄のTシャツをかわいいと思って買って着てるってのがもうダサい。
それを自覚していないあたり、彼女のファッションセンスのなさには呆れを通り越して菩薩顔になってしまうほどだ。
一回マネキンファイブに出てみてほしい。
常に売れ残るって断言できる。
本当は僕も買い物に付き合って見立ててあげたかったけど、野薔薇がいるのなら大丈夫かなと判断した。
が服を買いに行くときは誰か一人付き添ってもらわないと駄目だな。
そんなことを思いながら、僕は高専に戻りの部屋の箪笥を開けて、そして落胆した。
まじでだっせえ……。
ブルースリーのTシャツ見たとき以上の衝撃が走ったよ。
まさか自分自身に無量空処をくらうとは思わなかった。
「なんで下着はあんなえっちなのに服はこんなにダメなのかね。普通は逆じゃない?」
思い出すのは、を抱いた時に着ていたドエロい下着。
スケスケだったり、紐だったり、Tだったりと未成年が付けるもんじゃないだろと思うようなものばかり。
どこの風俗嬢だよっていうツッコミは心の中にしまっていたら、の口から更に無量空処ばりの衝撃的発言を聞かされた。