第18章 術式
「そっか。……嬉しい事言ってくれるね」
嘘じゃない。
本当に嬉しいと思ってしまった。
最強である僕が、一回りも違う少女の言葉に踊らされているなんて。
嫌でも思い知らされるね。
僕がの事を好きだって。
勘違いなどではない。
疑う余地もないほど、僕はが好きだ。
だとしたら尚更、には死んでほしくない。
ずっと僕の側にいて欲しい。
を繋ぎとめられるなら、僕は握ったその手を絶対に放してなんかやらないよ。
「が自分の術式を理解したところで!!どうする?悠仁みたいな修行やる?」
「うーん……。ちょっと自分でやってみる。それで感覚掴めないようだったら、修行するわ」
「それがいいね。でもならすぐに感覚掴めると思うよ」
鼓舞しているわけでもなんでもない。
僕の本心。
それがちゃんと伝わったのか、は少し頬を染めて顔を背けた。
え~、何その反応。
かわいいじゃん。
キュンって音が鳴ったよ、僕の心臓が。
クソ生意気で憎たらしくて素直じゃなくて、優しくて泣き虫で真面目で傑の妹。
わざわざ選んでの事を好きになる理由などない。
むしろならない方がいいのに、わざわざ僕はを選んで好きになった。