第18章 術式
「が自分の術式を理解したところで!!どうする?悠仁みたいな修行やる?」
「うーん……。ちょっと自分でやってみる。それで感覚掴めないようだったら、修行するわ」
「それがいいね。でもならすぐに感覚掴めると思うよ」
満面の笑みで笑う五条悟。
それは私を鼓舞しているわけでもなんでもなく、五条悟の本心からくる言葉。
だからこそ、照れくさくて嬉しくて、顔を背けてしまった。
「久しぶりに勝負しようか。今までお互い忙しくてできなかったし」
「この勝負はまじで久し振りじゃねえか?」
「そう言えばそうだね」
こういう稽古という名の勝負は半年前まで当たり前になっていたけど、忙しくなってからはそれこそ腕相撲とかトランプとかすぐに勝敗がつくもので済ましていた。
半年ぶりの体術での勝負。
首を軽く回せばポキポキと骨が鳴った。
体をほぐしながら、どう攻撃をしようかと悩んでいたらスマホの音が稽古場に響いた。
どうやらそれは私のカバンの中から聞こえる。
「電話出てもいいか?」
「どうぞ」
勝負前に電話に出るのは悔やまれるが、何か重要な事だったら、そっちを優先せざるを得ない。
軽く息を吐きながらスマホを取ると、電話の相手は野薔薇だった。