第17章 じゅじゅさんぽ【Vol.4】
「私なんかの誘いより、そっちの方が大事だろうが。だって、おま……会合って……銀座……寿司……」
脳のキャパシティが限界を迎えそうだ。
プスプスと音を立てているのが自分でもわかる。
「だってとご飯行くからじゃん」
「いや、百歩譲って私と会合を天秤にかけたうえで私を取るのはいいとして」
「いいんだ」
「牛丼と寿司だぞ?」
「そこなんだ、気にするの」
牛丼と寿司って。
明らかに寿司を取るだろ。
しかも銀座の寿司だぞ。
最低価格でも3万程度。
今回は会合だって言うんだからもっといい値段の寿司が食えるんだぞ。
一杯400円程度の牛丼とはワケが違うんだぞ。
「五条悟はさ、牛丼と寿司を肉と魚で捉えてるのか?」
「逆には何で捉えてんの?肉と魚以外なくない?陸か海かって事?それとも肺呼吸かエラ呼吸かってこと?の脳内ってどうなってんの?」
「そのままそっくり返してやるよ。そんな捉え方してねえわ」
なんだ、このアホみてえなやり取りは。
私が間違っているのか。
間違っているなら誰か指摘をしてほしい。
普通に考えれなばわかることだろ。
そこらへんにあるチェーン店の牛丼屋と銀座の寿司屋だったら、迷うことなく後者を選ぶだろう。
私だったら選ぶし、虎杖や釘崎、伏黒だってそっちを選ぶはず。