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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第17章 じゅじゅさんぽ【Vol.4】







下を向く私の耳に、男の笑う声が聞こえた。

「別に気にしなくてもいいのに」
「……私が、嫌なんだよ。いつも、慰めてもらってるし……色々、迷惑かけてるし……。奢るつっても、牛丼とかしか奢れねえけど……」

手を前に組んでもじもじと手遊びをしてしまうのは、この空気間に私が耐えられていないからだ。
やっぱ、やめときゃよかったか。
と後悔の念が私の脳裏に焼き付き、ちらりと五条悟を見れば、すごい嬉しそうな顔をしていた。

「が奢ってくれるの?僕に?」
「高いのは無理だけど……」
「え、本当に⁉」
「二言はない」
「ちょっと電話してもいい?」
「いいけど」

意気揚々とする五条悟は、テーブルに置かれていたスマホを手に取ると、どこかに電話をかけた。

「もしもし?今日の会合あるじゃん、それキャンセルしといて。大事な用ができて行けないから。じゃあ、そういうことだから」

一方的に言って一方的に電話を切る五条悟。
ていうか待って。
聞き捨てならない単語を耳にしたんだけど。

「会合……?」
「御三家の連中と上の連中とで、会合が開かれるんだよね。銀座で寿司食いながらやるんだけどさ。何が悲しくてむさ苦しいおっさんと飯食わなきゃいけないんだって話じゃん」
「いや、話じゃん。じゃねえわ。何してんの?なんでそっちキャンセルしたし」
「え?」
「え?」
「え?」
「え?」

なんだ。
私は何か変なことを言っただろうか。
至極真っ当な事しか言ってないぞ。
だと言うのに、五条悟はきょとんとした顔で私を見ている。
なんだその、「僕、なにか変な事言ったかな」みたいな表情。
バリバリ変な事しか言ってねえだろ。





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