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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第17章 じゅじゅさんぽ【Vol.4】






――夏油side――



吉野順平の事件後、五条悟に慰められた私は一つの決心をしていた。
自分からこんな行動をとるのは勇気がいったし、ぶっちゃけ緊張している。
ドキドキと高鳴る心臓をなんとか抑えながら私は財布を片手に、長い廊下を歩き職員室の扉を開いた。
中には、私が探していた人物は見当たらず、近くにいた伊地知さんに居場所を尋ねれば、仮眠室で寝ているんじゃないかとのこと。

「ありがとう」

素直にお礼を言えば、伊地知さんは驚いた顔をした後、にっこりと笑った。

仮眠室へと向かい静かに扉を開ければ、探していた人物はソファに寝っ転がっていた。
起こさないようにそっと近づいたつもりだけど、そいつは気配に気づいたのか、ゆっくりと目を開けた。

「あれ、じゃん。どうしたの?」

寝起きとは思えないほどぱっちりとした瞳が私を見つめる。
寝てたんじゃないのかと問えば、目を瞑っていただけだよと返された。

「で、僕に何か用?」
「…………あの、さ」
「ん?」

サングラスから黒いマスクへと付け替えるそいつ。
わたしはぎゅっと掌を握って、ドキドキと緊張する心臓を悟られないように、口を紡ぐ。

「飯、奢る」
「………ん?」
「色々、……その、慰めて、もらったし………。借り、作りたくないし……」

言葉尻がどんどん小さくなっていく。
飯を奢るって誘うだけで、こんなにも緊張するとは思わなかった。
緊張しすぎて、吐きそう……。




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