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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第16章 野球






「学生に限った話ではありませんが、彼らはこれから多くの後悔を積み重ねる。ああすればよかった。こうして欲しかった。ああ言えばよかった。こう言って欲しかった」

今でも思う。
あの時、何か気が付いていれば傑は呪詛師になんてならずに済んでいたのではないかと。
今頃悟の隣で、一緒に教壇に立っていたのではないかと。
そんな風に思ってももう傑はいない。
その代わりに妹がやってきた。

傑のやろうとしたことは間違っている理解し、それでも大好きな兄を殺した私や悟を許せないと叫んだあの日を思い出す。
復讐の道を選んだ彼女の道は茨だ。
それを指摘すればいにやりと笑って。
笑った顔が、いたずらをする前の傑の顔にそっくりだった。

今でも復讐に身を委ねているのかもしれないが、彼らと一緒に過ごすうちに夏油はいい方向に変わって言っているように思う。
その影響が虎杖や伏黒、釘崎といった仲間たちと出会ったことで変わったのなら、虎杖が死ぬことが正しいとは私は思えなかった。

「虎杖についての判断が正しいかどうか、正直私には分かりません。ただ、今は見守りませんか」

今まさに青春を謳歌している彼らをみていると、どうしてもそう言う事しかできなかった。
若人から青春を取り上げることなど、私にはできない。

だからこそ。

「大人の後悔は、その後でいい」

大人は、子供を守る義務がある。





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