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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第16章 野球








そんなことを思っていると、伏黒は虎杖の名前を呼んだ。
そして「強くなったんだな」と静かに言った。
その言葉に、私は口の中に残っていたピザを飲み込んだ。

「あの時、俺達それぞれの真実が正しいと言ったな。その通りだと思う。逆に言えば俺達2人共間違ってる」

あの時、とは少年院の時だろうか。
正しい死へと導くことを信条にしている虎杖と。
幸せになるべき「善人」を救いたいと思う伏黒と。
相反する気持ちがぶつかり合ったんだ。
それを伏黒は間違っていたし、正しかったと言った。

「答えがない問題もあんでしょ。考えすぎ。ハゲるわよ」
「そうだ。答えなんかない。あとは自分が納得できるかどうかだ。我を通さず納得なんてできねぇだろ。弱い呪術師は我を通せない」

伏黒の言う通りだ。
我を通したけりゃ強くなるしかない。
自分が正しいと証明するために。

「俺も強くなる。すぐに追い越すぞ」

追い越す。
伏黒はそう言った。
伏黒もわかってしまったんだ。
虎杖に追い抜かれてしまったことを。
だけどこいつが私と違うのは、"すぐに"立ち上がった事。
私は少しばかり立ち上がるのが遅かった。
そこに差を感じてしまうのも、私が並みの呪術師だからに違いない。

だけど、並みなんかでいたくない。
私は、最強になりたい。




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