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【呪術廻戦】新世紀の『I LOVE YOU』

第15章 交流







振り返れば、腕を組んだ東堂が私をじっと見つめていた。

「なんだよ……」
「オマエがなぜ弱いか理解しているか?」
「おい、東堂!!が弱いってなんだよ‼」
「ブラザーは少し黙っていてくれないか。これは、夏油自身の問題だ。夏油、もう一度聞く。オマエが弱い理由をオマエは答えられるか」
「……私が」
「………」
「私が"黒閃"の経験者じゃ、ないから」
「本当にそう思っているのか。ならば、オマエは強くなれんぞ」

……わからない。
全然わからない。
私が弱いのは、"黒閃"経験者じゃないからだと思っていたけど。
呪力の核心の距離があるからじゃないのか。

「夏油。お前は自分の術式の事をちゃんと理解しているか?」
「え?」
「それを理解していないなら"黒閃"以前の問題だ」
「理解、してるに決まってるだろ。自分の術式なんだから」
「果たして、どうかな」

ふっと笑う東堂。
何が、言いたいんだよ、コイツ……。

「もう一度自分の術式に向かい合ってみろ。オマエが強くなれるヒントはそこにある」
「……っ、なんなんだよオマエは‼いきなり教師みてえなこと言いやがって!!充分わかってんだよ‼!自分の術式がわからねえ馬鹿がどこの世界にいるってんだ!!」

そう叫んで。
私はその場を後にした。
ムカつく、腹立つ。
なんなんだよ、術式理解していないとか。
ふざけんな。

だけど、なぜか。
私はずっとその言葉が離れずにいた。
わだかまりのような、喉の奥に刺さった小骨のような。
ずっと頭をよぎっていた。



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