第15章 交流
だが、やはり特級と言うべきか。
東堂の術式に慣れてきたせいで、こちらの攻撃が決まらなくなってきた。
先ほどから何度も拳も蹴りも何もかもが避けられている。
それでも虎杖の"黒閃"が効いているはず。
3人なら祓えるはずだ。
特級は地面から種子が詰まった木が出現させた。
大量の種子は虎杖と東堂へと向かっていく。
手を叩いた東堂。
虎杖と特級の位置が入れ替わったおかげで、種子は私へと向かってきた。
「あ、すまん」
「別にいいけどね!!!」
どうせ私の事を忘れていたんだろう。
それか後方にいたから種子が来ないと思っていたのか。
というか、お前の術式、お前以外の奴でも入れ替え可能なのか。
あの時の術式開示は嘘偽り。
私も騙された。
というか、そんな事よりも。
今目の前に迫ってきてる種子をどうすべきかを考えなければ。
避けるにしたって、6~7個を避けれる自信はない。
し、鍵でどうにかしたいけどまず差し込めるかどうかが問題だ。
ぐるぐると考えていた私の耳に、東堂の声が聞こえた。
「夏油!!呪力を解け!!」
「!!!」
なんで、どうして。
という疑問は抱かなかった。
何故なら東堂は一番初めに「俺を信じろ」と言ったんだ。
だったら信じるしかないだろう。
呪力を解いた私の身体に種子はポコポコと当たって地面に落ちる。
成程、この種子は呪力を餌に成長するのか。
そう言えば伏黒の種子も微妙も成長してたな。
てか、この一瞬でそれに気づくってどこまでもやべえ奴だ。
今日だけで東堂に度肝を抜かされっぱなしだわ。