第15章 交流
特級は木の毬の上に立ち、私たちを見下ろす。
重力に逆らえずに落下する私達に容赦なく攻撃を仕掛けてくる特級。
毬から生える2本の木の枝。
一本は私を、もう一本は東堂と虎杖を狙っている。
「「ブラザー!!」」
息の合った二人の呼吸。
お互いの両足を合わせ、彼らはその枝を躱した。
私は木の枝に鍵を差し込み、破錠で破壊しなんとか攻撃を受けずに済んだ。
地面に墜落する直前、既に落下していた虎杖が私を受け止めてくれたおかげでどこも撃ちつけずに済んだ。
「大丈夫か?」
「平気。ありがとう」
虎杖の腕から抜け出し、私は鍵を取り出し五角形のペンタゴンを作る。
呪力を篭めた鍵たちの中心に手を置いた。
特級が地面に降りた瞬間に"開錠"し、特級の足元を崩しバランスを崩す。
「すっげ……」
「拡張遠隔術式だよ。あんまり得意じゃないけど」
私の術式に虎杖は目を丸くするけど、そんなすごい技じゃない。
だからそんなキラキラした目で私を見ないで。