第15章 交流
私と虎杖と東堂が戦闘態勢に入り構えた時。
特級もどうやら本気をだしたようで、地面から木の根が発生した。
広範囲に渡るほどの攻撃範囲に多少驚きはしたが、速度と強度はそこまで高くはない。
私達は特級がいるであろう地面を見据える。
しかしそこに特級の姿はなく、木の根に隠れて私達の後ろへとそいつはいた。
種子のようなものを飛ばして来るがそれを交わし、東堂と虎杖は正面から拳を、私は背後へ回り蹴りを入れたが、この打撃で理解したことが一つある。
こいつめちゃくちゃ固い。
攻撃をしたのは私のはずなのに、骨に響く。
そして同時に。
この場で一番の足手纏いは自分だと言う事も一瞬にしてわかってしまった。
「東堂!!もっとタイミングを合わせよう!!」
「あぁ!!」
虎杖は、私の名前を呼ばなかった。
それがなんだって話なんだけど、でもやっぱり悔しい。
力不足であることが、準一級という等級を捨てたいほどまでに私はこの場では戦力外だと気づかされた。
自分自身に嫌気がさした。
刹那。
先ほどまであったはずの足元の木の根が、消えた。
「!!」
油断をしていた。
これだけの質量だから、実物に呪力を通して操っていると思っていたけど。
ぜんぶこいつの呪力で具現化、顕現したモノだったか。