第15章 交流
しかし。
伸ばした手は、五条悟の手は、侵入を拒むかのようにハジかれてしまった。
一瞬の間が生まれる。
そしてゆっくりと振り向く五条悟。
「……僕、かっこ悪くない?」
「どうでもいいわ!!」
「せっかくかっこつけたのにさ」
拗ねた口調で地面を蹴り上げる五条悟。
何を余裕ぶっこいてんだよ。
お前が帳の中に入れないってやべえだろうが。
「"五条悟"の侵入を拒む代わりに、その他"全ての者"が出入り可能な結界だ」
六眼で帳の効果を見破る。
その言葉に、私と庵歌姫、楽厳寺のジジイが驚いた表情をした。
五条悟ばっかりに目がいっていたせいで、庵歌姫たちがいたのに気が付かなかった。
だけど今それが幸いした。
五条悟が帳の中に入れない今、頼れる大人はこいつらだ。
「余程、腕が立つ呪詛師がいる。しかもこちらの情報をある程度把握してるね」
……それは裏を返せば、高専に内通者がいるって事か。
真っ黒い何かが私の中に渦巻いた。
もし本当に内通者がいるとしたら、真っ先に疑われるのはきっと、私だ。