第15章 交流
掌を握りしめ、私は帳の中へと入っていく。
「、何してんの?お前は安全な場所に……」
「皆が危ない目に遭ってんだ。私一人のうのうと安全な場所で高みの見物なんてできないだろうが」
「待ちなさい、夏油。生徒を危険な目に遭わせないために私達教師がいるのよ」
「うるさい‼私はもう逃げたくないんだよ‼」
私の叫びは、びりびりと空気を震わせた。
3人を睨めば彼らは眉をひそめて私を見ている。
「私はもう逃げない。逃げて後悔したくない。虎杖がそうだったように、狗巻棘がそうだったように。あいつらのように……私だってみんなの力になりたい。みんなを助ける事ができるなら助けたい。それが呪術師なんだろ。……私は、呪術師なんだって、堂々と胸を張りたい。自分を認めてあげたいんだよ‼」
私だけがいつも逃げていた。
助けられていた。
そんなのもうこりごりだ。
私も、あいつらみたいに、あいつらみたいな、呪術師になりたい。
立派な呪術師なんだって認められたい、認めたい。
そのために、私は――――――。
「」
帳の外から、五条悟が私の名前を呼んだ。
振り返ると、いつも以上に真剣な表情をした男が私をまっすぐに見ていて。
「死ぬなよ」
それだけだった。
だから私は親指を立てて、力強く頷いたんだ。