第15章 交流
――夏油side――
私と狗巻棘は呪霊を狩りながら、二級呪霊を探していた。
そのことを伏黒に伝えれば玉犬を私達の所へ向かわせてくれる言い、暫くすれば玉犬が走ってやってきた。
鼻をスンスンと鳴らし呪霊の居場所を探す玉犬。
「ここらへんにはいないっぽいな……」
「しゃけ」
早く祓わなければ。
焦りが私の中に生まれる。
そのことを見抜いていたのか、狗巻棘が私の腕を引いた。
「こんぶ」
「……だって、相手はあの東堂だぞ。虎杖がそう簡単にやられるとは思ってない。私が一番知ってる。でもそれは時間の問題だ。東堂……あいつは、一級呪霊に術式なしで勝ってんだぞ。……早くしねえと、いくらなんでも虎杖が……」
だんだんと大きくなる私の声。
それを遮るようにぐっと腕を引かれた。
狗巻棘の胸に閉じ込められる。
驚いて顔をあげると、狗巻棘はにこりと目を細める。
「しゃーけ」
「………」
安心させるように私の頭を撫で、背中をさすってくれる。
虎杖や五条悟のように、がっしりとした筋肉質の体つきではない。
だからと言って細すぎない体格に、狗巻棘の優しい匂いに、今まで抱えていた不安や焦りは少しだけ、和らいだ気がした。
「……高菜?」
「平気。大分落ち着いた」