第15章 交流
「どんな生い立ちだろうと私はアイツが気に食わなねぇ。同じ生い立ちでも私は真希さんが大好きだ」
苦労しているはずなのに、辛いはずなのに、自分の境遇に囚われない真希さんを私は尊敬している。
虎杖もも私は尊敬している。
彼らのことをかっこいいと思う。
そういう人間に私は憧れているのよ。
アンタらと違って、境遇のせいにする人間なんかより、ずっとずっと綺麗でかっこよくて、それはアンタのいう実力や完璧ってものなんじゃないの?
「テメェらこそこれから呪おうとしてるバカがどんな人間か、危険分子だって言って蔑んでるバカがどんな人間か少しは考えたことあんのかよ」
何も知らないくせに好き勝手言ってんじゃないわよ。
「"完璧"も"理不尽"も応える義務がどこにある?テメェの人生は仕事かよ」
今まで飛ばした釘に呪力を篭め、私は「簪」を発動させる。
音を立てて倒れる木々たち。
避けることに精一杯の西宮の隙を狙い、箒の枝を手にした。
そして藁人形に枝を重ねる。
「男がどうとか女がどうとか知ったこっちゃねーんだよ‼テメェらだけで勝手にやってろ!!私は綺麗にオシャレしてる私が大好きだ!!強くあろうとする私が大好きだ!!
私は"釘崎野薔薇"なんだよ‼」
そして私は藁人形に釘を打ち込んだ。