第15章 交流
禪院家。
エリート呪術師の家系であり御三家の一つ。
その家では完璧なんて当たり前。
"禪院家相伝の術式を引き継いでいること"
それ以外は落伍者として術師人生をスタートするという。
その中でも女はスタートラインにすら立たせてもらえないこともあると。
"禪院家に非ずんば呪術師に非ず。呪術師に非ずんば人に非ず"
そんなカワい気のカケラのない家に一生仕えて、蔑まされて生きる。
それが真希さん達の生きてきた道。
「私達が当然のように享受している環境を手にするのに、真依ちゃん"達"がどれだけ苦労しているか。呪いを仲間だと危険分子を仲間だと勘違いできる頭でよく考えたら?」
「うるせぇよ」
考えなくたって分かる。
アイツらだって苦労しているんだ、私の知らないところで。
だけど、不幸を天秤にかけて自慢されたところでだから何だよって話だ。
不幸を天秤にかけて傾いて勝ったら嬉しいのか?
それで勝って素直に喜べんのかよ⁉
「不幸ならなにしても許されんのかよ。じゃあ何か?逆に恵まれた人間が後ろ指刺されりゃ満足か?」
勝手な被害妄想で、そうやって沙織ちゃんは村から排斥された。