第15章 交流
「それは男だけ」
「?」
言っている意味がわからなかった。
首を傾げる私に、西宮は静かにその意味を教えてくれた。
「女はね。実力があってもカワいくなければナメられる。当然カワいくっても実力がなければナメられる。分かる?女の呪術師が求めらえるのは"実力"じゃないの。"完璧"なの。そして真依ちゃんはそれ以上の"理不尽"と戦ってるの」
実力……?
完璧……?
理不尽……?
知らねえよ、そんなもんまじで。
ナメられるだとかなんだとかどうでもいいわ。
なんもわかんない。
分かるのは……。
「テメェが面倒くせぇのは分かったよ」
そうやって言い訳して、自分の価値を下げてる奴のことなんか一つもわかりたくないわ。
何度も呪力の風を受けていれば、どのタイミングで受け身を取ればいいかが分かってくる。
これも特訓で何度もぶん投げられていたおかげかしら。
それにさっきから何かを気にしながら戦っているような気がするのよね。
急に喋らなくなったし。
反撃をするならここ!!
「説教は……終わりかよ‼」
釘を飛ばすが、簡単に避けられる。
当てる気なんて最初からない。
私のみているものはもっと先のこと。
そのまま気づかずに避け続けてよね。
「真依ちゃんが求められてるのは、"完璧"なんて生やさしいもんじゃない」
避けながら、西宮は語りだす。