第15章 交流
虎杖は誰よりも早く東堂に向かって走り、顔面を掴むと己の膝を思い切り叩きつけた。
「散!!」
私の合図と共に、作戦を実行。
「やっぱりアイツ一人で来たな」
「分かっちゃいたけど化物ね」
「そっ。だから無視無視」
「ツナ」
大丈夫、虎杖はそう簡単にやられる奴じゃない。
私がそれを一番よく分かっている。
パンダ班と伏黒班に分かれて数分経った頃。
私へ異変に気が付いた。
二級呪霊を探しつつ京都校の奴らの所に殴り込みに来たはいいけど、誰一人私はその姿を目にしていない。
「これ、京都校の奴らまとまって行動してないか」
「悠仁とバラけた辺りだな……」
京都校の奴らが揃って仲良く移動している。
二級呪霊がいる可能性も考えたが、その可能性は低い。
伏黒の玉犬が何も反応示さなかったのが良い証拠だ。
と、なれば。
考えられる可能性は一つ。
「あいつら、虎杖の奴殺すつもりだろ」
「何ソレ!!意味わかんない!!」
「の言う通りかもしれないな」
「こんぶ」
「確かにそこまでの敵意は感じなかったが、ありゃ悠仁生存サプライズ前だろ」
「あのくそジジイの指示なら、あり得ないって方がおかしい」
あの楽厳寺のじじいなら虎杖を殺すことに全神経を注ぐだろう。
虎杖の中には宿儺がいる。
その為ならどんな手段を使っても。