第15章 交流
そして交流会が始まる。
五条悟と庵歌姫の言い合いが放送されたところで時間はやってきた。
五条悟の「スタート」という声と共に私たちは一斉に走り出す。
「ボス呪霊どの辺にいるかな?」
「放たれたのは両行の中間地点だろうけど、まあじっとはしてないわな」
「例のタイミングで索敵に長けたパンダ班と恵班に分かれる。後は頼んだぞ、悠仁」
「オッス!!」
例のタイミング、とは。
東堂がやってきた時。
パンダ班は、私と野薔薇と狗巻棘。
恵班は、伏黒と禪院真希。
バランスが悪いと思うが、バランスよりも相性を重視した結果だ。
生憎、私と伏黒の術式の相性は悪い。
少年院で学んだ。
お互いにお互いの術式や間合いを殺してしまっている。
逆に狗巻棘やパンダとは相性がいい事がここ最近の訓練でよくわかった。
伏黒の玉犬・黒が走り出す。
呪霊がいれば反応してくれる頼もしい式神。
その証拠に私達の目の前には蜘蛛みたいな姿をした呪霊が現れた。
見たところ、3級と言ったところか。
禪院真希が呪具を構えた時。
「先輩、ストップ!!」
伏黒の声と同時に。
横の茂みから東堂が勢いよく突っ込んできた。
間一髪のところで交わすことができたが、もしあの体当たりをもろにくらってたらそれこそ一発KOだ。
「ぃよぉーし!!全員いるな!!まとめてかかってこい!!」
一人でこの場にいる人間を鎮圧するつもりなのだろう。
だが、その作戦には乗らない。