第15章 交流
討伐レースが始まる正午まで時間はある。
私達はミーティングをするために控室へと向かい、私と虎杖は今までの事情を全て話した。
なぜ、虎杖が生きているのか。
なぜ、秘密にしていたのか。
今までどこにいたのか。
何をしていたのか……何を……何が……。
沢山質問責めをされたが、うまく納得のいく回答ができただろうか。
納得できなくても目の前のことが事実だから無理にでも納得してもらうしかないのだけれど。
ただ、私も虎杖も里桜高校の事は言わなかった。
聞かれなかったって言うのもあるけど、それ以上にまだ何も分かっていない状態で話しても混乱を招くだけだと判断したから。
あの継ぎ接ぎ野郎の目的も以前戦った富士山野郎たちの目的も何一つ分かってはいないから。
事情を全て話すと野薔薇は虎杖と私を地面に正座させ、虎杖に真っ黒い枠を持たせた。
はたかれ見れば虎杖は遺影のように見えなくもない。
結構ハードないじめに見えてしまうが、彼女なりのお説教&お仕置きなのかもしれない。
が、うん。下手したらこれ結構冗談の通じないいじめだぞ。
他人が見たらやべえ絵面だわ。
「まぁまぁ。事情は説明されたろ。許してやれって」
「喋った!!」
「しゃけしゃけ」
「なんて?」
パンダと狗巻棘のことをちゃんと紹介していなかった。
初見だと驚くよな。
私も最初驚いた。
けど、いずれ慣れる。
慣れって怖いな。