第15章 交流
だけど、虎杖。
ちゃんと目ん玉かっぴらいてよく見てみろ。
伏黒と野薔薇の顔を。
嬉しいどころか怪訝な表情だぞ。
あ、虎杖気づいた。
吃驚した顔をするな。
少し考えればわかることだろ。
誰も虎杖の生還に感激しない様子を見た虎杖は、汗をかいてただただ気まずい空気が流れる。
「……お前の悪知恵だろ」
「えー?喜んでくれると思ったんだけどな」
肘で五条悟の腹を殴る。
無限を切っている当たり、こいつなりに悪いと思っているのかもしれない。
そう思うならやるなよ。
「宿儺の器⁉」
その時、夜蛾と一緒にやってきた京都校の学長が目ん玉落ちるんじゃないかって言うほどかっぴらいて虎杖を見つめていた。
よかったじゃん、虎杖。
お前の生還に驚いてくれる人いたよ。
と、教えようと虎杖に近づいた。
「おい。虎杖、」
が、首根っこを野薔薇に掴まれた。
「お前ら、何か言うことあんだろ」
「え」
壊れたおもちゃのごとく、ゆっくりと振り返る。
野薔薇の目には涙が溜まっていて、その目を見た瞬間。
虎杖は悪ふざけが過ぎたこと、私は秘密にしてしまっていたことに対しての罪悪感に襲われ。
「「黙っててすんませんでした……」」
二人で謝る事しかできなかった。