第15章 交流
話しを聞くと、どうやら野薔薇は京都で姉妹校と交流会をするものだと思っていたらしい。
正しくは「京都の姉妹校と交流会」である。
どうりで話が噛み合わなかったわけだ。
「去年勝った方の学校でやんだよ」
「勝ってんじゃねーよ!!!バカ!!」
「俺らは去年でてねーよ」
「乙骨憂太が人数合わせで参加したって聞いたけど」
「そう。"里香"の解呪前だったからな。圧勝だったらしいぞ」
「こっわ」
あんなひょろっこい癖に、もやしの癖に。
あいつめちゃくちゃ強いんだよな。
こっわ。
「許さんぞ、乙骨憂太ー!!!」
地面に両ひざ両手をついて嘆く野薔薇。
どんだけ京都に行きたかったんだよ。
そんなことをしていると、京都校の奴らがやってきた。
見知った顔が2人と、知らない顔が4人。
一人人じゃねえ奴がいるけど、あれなんだ、呪骸か。
「あら、お出迎え?気色悪い」
くすくす笑うぜんまいちゃんに、私も唇を歪める。
「迷子になられても困るんでな。探す身にもなってくれや」
「早く菓子折り出せコラ。八ツ橋くずきりそばぼうろ」
「しゃけ」
野薔薇と狗巻棘にいたっては、土産を強請っている。
「腹減ってんのか?」
東堂はそう言うと、制服のポケットからのど飴を一つくれた。
いい奴じゃねえか。
しかも喉に優しい、はちみつきんかんのど飴だ。